2017年9月8日金曜日

【パケ死】173万円の請求書

もう死語になった「パケ死」。
ぼくは過去に一度経験したことがある。


2010年3月学生生活の終わり。
ガク割で基本料金が3年無料になるという最後のチャンスに念願のiPhoneを購入した。

そして、2010年6月ベトナムにて愛しのiPhoneを紛失。



当時のぼくは海外2カ国目。全然旅慣れておらず、携帯電話を貴重品として認識していなかったので、ホテルの部屋に置いたまま外出していた。そしてチェックアウトの日になって、パッキングしていた時にiPhoneがないことに気づいたという、なんとも恥ずかしい話。

ないものはしょうがない。
携帯会社に電話をして、利用停止にしてもらい、警察に事情を説明すると、
「犯人を捕まえて、iPhoneを取り返すために、利用停止を解除して、また使えるようにしてください」
と言われ、従った。今度はホテルの人に通訳になってもらい、盗難証明を出してもらうことになった。なにやら読めないベトナム語が書いてある用紙を渡されて、
「ここにサインをして」
と言われたので、なんの疑いもせずにサインをした。

ぼくとしてはそれで、なんだか一安心。
盗難証明書も手に入ったから保険もおりるだろうし。

と思ったら、盗難証明書に書いてあるベトナム語を翻訳してもらったら、ホテルで盗まれたのではなく、「公園で」置き引きにあったと書いてあるそうだ。しかも、そこにはぼくの確認済みのサインも。。。

置き引きは盗難とは見なされず、基本的に保険がおりない。

しかも帰国した後に届いた請求書には目を見張る金額が示されていたのであった。














えっ、これ何ケタ?

1,731,473円

173万円。。。

警察の調査などのため、すぐに利用停止措置ができなかった間に、
こんなに膨れ上がっていたのだった。

今まで気ままに生きてこられたけど、
いよいよ、これは就職しなければならないと覚悟した瞬間だった。





親や友達、ベトナムでお世話になった人に相談して
消費者生活センターに電話。

「ベトナムで携帯盗まれて、使ってないのに173万円の請求が来ちゃいました…」

オペレーター「携帯会社の対応で問題がありませんでしたか?例えば緊急停止ができなかったとか、どこに電話したら良いかわからなかったとか。もし携帯会社に落ち度があった場合、専門の弁護士を手配します…」

「いや、携帯会社の不手際はないです。」

オペレーター「そうしますと、携帯会社に直接相談した方が良いですね」

「…はい。わかりました。」

もう、すがる思いで携帯会社に電話。

「すいません。携帯を紛失してしまって、請求額がとんでもないことになっているんですけど、僕は全く使ってないんです。払えません。どうしましょう。」

「検討するので、また連絡します。」と言われ、
何事も上の空で過ごしていた2日後。
携帯会社から連絡が来て、ふるえる手で僕は電話を取った。

「先日の件ですが、全額帳消しにすることはできませんが、あなた本人が使用していないことが証明できれば、大幅に減額することはできます。」

「証明できます」

「そうしましたら、新しい請求書を送ります。52500円+諸費用がかかります」

「ありがとうございます」

電話口でぼくは安心して、話しながら泣いていた。


結局払ったお金は解約代金等も含めて8万円ほど。
それでも大金だけど173万円を思うと本当によかった。

今となっては、よくネタにする話だけど、
当時は本当に生きた心地がしなかったな。

たった数日でこの金額。
今は、ここまでかさむことはないかもしれないけれど、
海外での携帯利用には十分注意してくださいね。

ぼくのiPhoneがベトナムのどこかで誰かのためになったのではないかと信じています。